石川県無形民俗文化財の奇祭「いどり祭り」が11月7日(木)に能登町鵜川の菅原神社で行われました。
「いどる」とは「文句を言う、ケチをつける」の方言で、『餅』の悪口を言い合うことで、今年の五穀豊穣に感謝し、また来年の豊作を願います。
©石川県観光連盟(いどり祭
鵜川地区の6つの町内が交代で当番となり、男子のみで作った直径1.2メートルもある大鏡餅を神前に供します。すると他地区の氏子たちが奉納された餅の出来栄えを“けなし(いどり)”---「しわだらけじゃ、ひびだらけでヒドい」とか「ペラペラで波打っている。穴も空いて」など---難癖を付けられた当番の氏子は「やわらかい分、粘りがあり、ツヤもある」と弁解する---最後は神主が仲裁に入って場を収める---という面白い神事です。
©石川県観光連盟(いどり祭
「いどり」と弁明はユーモラスで、見物人の笑いを誘う「いどり祭り」は菅原神社の新嘗祭の中心神事で、約500年も続くそうです。
©石川県観光連盟(いどり祭
ちなみに、能登の方言は地域により微妙な違いがありますので、隣町に行くだけで語尾が変わったりもすることも。能登の方言は大きく2つ「口能登」と「奥能登」で分けられます。その特徴は「口能登方言」は富山県の方言と、「奥能登方言」は新潟県佐渡の方言と共通性が多く見られるそうですよ。