ホテルと旅館の違いを解説! サービス・料金など何が違う?
2023-03-29
国内旅行の宿泊先について、ホテルと旅館のどちらがいいのか迷っている家族向けに、それぞれの定義や違いについてまとめました。
建物や客室のつくり、料理やサービスの提供方法、料金などさまざまな観点から、ホテル、旅館のメリットやデメリットも紹介します。旅行中、家族みんなが快適に過ごすための宿泊施設選びに、ぜひお役立てください。
ホテルと旅館の定義
家族で国内旅行に行った際、つい迷いがちなのがホテルと旅館、どちらに泊まるかです。どちらも宿泊する場所には違いありませんが、もともと旅館業法では、次のようにそれぞれ異なる定義がされていました。
- ホテルとは
「洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの」
- 旅館とは
「和式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの」
【引用元】旅館業法改正「新旧対照表」
それが2018年6月に「旅館業法の一部を改正する法律」が施行されたことにともない、これまで差別化されていたホテルと旅館は、営業種別として「旅館・ホテル営業」へ統合されました。
この規制緩和で、和式・洋式といった構造による定義がなくなったものの、実際には、和と洋のイメージが残っている人も少なくないかも知れません。
ホテルと旅館の違い
先に述べたように、旅館業法という法律上では、ホテルと旅館の違いがなくなりました。しかし実際は、サービスや様式などの面で、異なるところは存在しています。
旅行先で泊まる場所として、ホテルにするのか、旅館にするのか迷ったときに判断しやすいよう、ここからは、その違いについてチェックしてみましょう。
客室
まず客室について見てみると、ホテルの客室は洋室、旅館は和室が一般的です。洋室は土足のまま部屋に入れますが、和室は土間より一段上がったところに部屋があるため、靴を脱いで入ります。
また、フローリングではなく、畳敷きの部屋になっているのが一般的です。ただ、和と洋といったスタイルの違いがあるものの、はっきり分かれているわけではありません。
たとえばホテルでも畳が敷かれている和のスペースがあったり、旅館でも部屋食のためのダイニングルームとして、フローリングになっているスペースがあったりします。寝具も、ホテル、旅館にかかわらず、ベッドと布団の両方を備えているところもあるのが現実です。
また、旅館業法が改正される前には、客室数や広さにも定義の違いがありましたが、現在はとくに条件がなく、自由に設定できるようになっています。
食事
旅行先で楽しみなのが食事、という人も多いのではないでしょうか。通常、ホテルの宿泊には夕食がつきません。レストランで食べられるようにオプションで追加するか、ホテルから外へ出て他のお店で食べるか、ルームサービスを頼むなどの方法を自由に選びます。
レストランは、洋風や和風、中華など、施設によってさまざまです。朝食はビュッフェスタイルがよく見られます。
一方、旅館では、基本的に和風の夕食付きプランを提供しているのが一般的です。部屋食で提供される場合もあれば、旅館内にあるお食事処などで用意されることもあります。
和食の会席料理や、冬なら鍋料理など、その土地ならではの食材を使ったお料理が食べられるのも魅力です。
建物
冒頭に示した定義のとおり、ホテルは主として洋式の建物、旅館は和式の建物が一般的です。また、階数や客室数は旅館よりもホテルのほうが多く、宿泊客を多く受け入れやすくなっているのが一般的です。
2018年の法改正前は、ホテル営業に必要な部屋数は10室以上、旅館は5室以上とされていました。
旅館では、一組につきひとり「仲居」と呼ばれるお世話係のスタッフが付いてくれることもあります。しかし、仲居さんの対応できる範囲には限りがあり、あまり多くの部屋数をさばききれません。
そのため、旅館の中には、一日2組限定などあえて部屋数を抑えて、サービスをより手厚くしようとするところも見られます。
料金
家族で宿泊する際には、料金も気になるポイントです。価格はサービスの内容次第でさまざまですが、ホテルと旅館では価格面で大きな違いはないといってよいでしょう。ただ、どちらも価格が高くなればサービスの品質や料理の質がよくなるのは言うまでもありません。
ホテルの中でもビジネスホテルは比較的安価なため、予約サイトなどでもつい目に留まりやすいものです。しかし、ビジネスホテルは単身出張などに便利ですが、部屋も狭く、サービス内容から考えても、家族旅行には向きません。
ホテルに泊まる際には、広さとともに、ファミリー向けの設備やサービスがそろっているかどうかも確認しておきたいものです。
また、シーズンによって、あるいは土日や祝日の前日、お盆や年末年始、大型連休などには需要が集中するため、宿泊料金がおのずと高くなる傾向にあります。
ホテルの公式サイトや旅行会社サイト、電話など、予約方法によって価格が異なる場合もあるため、最もお得な方法で予約できるように調べておくのが賢明です。
ホテルのメリット
では、ここからはホテルで宿泊するとどのようなメリットがあるのかについて解説します。
ただ、個々のホテルによってもさまざまです。ホテルのメリットを感じる旅館もあれば、旅館のメリットを感じるホテルもあるでしょう。
そのため、あくまで一般的なケースとして読み進めてください。
プライバシーが保たれやすい
一般に、ホテルでの入浴は備え付けのバスルームを使うため、ほかの人と会うことはありません。また食事も基本的にレストランを利用したり外食したりするため、プライベートな時間を満喫できます。
旅館では、夕食時や布団を敷くタイミングなどで仲居さんが入ってくることもある一方で、ホテルでは、宿泊しているメンバー以外の人が入ってくることは基本的にありません。
そのため、自分たちのプライベートな時間を邪魔されたくない、といった人には、旅館よりもホテルのほうが適しています。
自由に行動しやすい
プライバシーにも関わる要素で、滞在の自由さもホテルに軍配が上がります。
旅館なら夕食や朝食の時間が決められていることもあるため、それに間に合うようにお風呂へ入ったり外出先から戻ってきたりしなければならず、時間帯によっては少し慌ただしくなってしまうかも知れません。
一方、ホテルではチェックイン後、チェックアウトするまではフリーに過ごせます。食事やお風呂のタイミングも自分たちで決められるため、お出かけした先で渋滞したり、イレギュラーなことがあったりしても、時間に余裕があるため安心です。
その意味では、旅館よりも外食などのお出かけに行きやすいのがメリットと考えられます。
ホテルのデメリット
滞在の自由さが魅力のホテル滞在ですが、逆にデメリットもあります。あらかじめ認識しておくと、ホテルか旅館のどちらを選ぶ際に迷いが少なくなるかも知れません。
ここでは主な2つの注意点について解説します。
他の人との交流の機会が少なくなる
旅館では仲居さんをはじめ、働いているスタッフと会話する機会が多くあります。その土地で有名な観光地やグルメについて教えてもらえることもあるでしょう。
一方、ホテルの場合、チェックインしてからスタッフと話す機会はあまりありません。基本的には部屋か外出先にいて、他の人と交流するタイミングはほぼないといっても過言ではありません。
プライベートな時間を邪魔されないことにメリットを感じられる人ならオススメですが、その土地の名物や名産などについて話を聞きたい人にとっては、少し寂しいと感じるかも知れません。
食事の手配が必要
先に述べたように、ホテルでは食事を自分たちで手配しなければならないのが一般的です。
ホテル内にあるレストランにするのか、外食にするのかを決め、必要に応じて予約しなければならないため、人によっては、面倒に感じてしまうこともあります。もしホテル内でレストランを利用したり、ルームサービスを頼んだりする際でも、ホテル側が進んで案内をすることはありません。
自分で時間帯やメニューなどの要望を出さなければならない点には、注意が必要です。
旅館のメリット
ではここからは、ホテルと比べて、旅館を選んだほうがよいメリットについて2つ解説します。
おもてなしのサービスが多い
旅館ならではのオススメポイントとしては、おもてなしのサービスを受けられることが挙げられます。旅館に着いたとき、重い荷物を運んでくれたり、食事についてさまざまな要望をスタッフの方から聞いてもらえたりするため、面倒もなく、ゆったりと過ごせるのは魅力です。
今日回った観光地について感想を話しながら、翌日のプランについてアドバイスをもらえることもあります。
スタッフとの会話も楽しみたい、あたたかいおもてなしのサービスを受けたい、といった人はホテルよりも旅館を選ぶと満足できる可能性が高まります。
和を感じながらゆったり過ごせる
旅館には、和風のしつらえなど、風情を感じられるスペースが多くあります。露天風呂をはじめ、家族みんなで楽しめる家族風呂がある旅館も少なくありません。わざわざレストランや外のお店へ出かけずとも、部屋でゆっくり食事をとれるのも魅力です。
海外旅行では味わえない和の雰囲気を感じられるため、温泉につかりながら、家族団らんの時間を過ごしたい人や、とにかくのんびりとリラックスしながら過ごしたい人には、旅館がぴったりです。
旅館のデメリット
ここまでは旅館ならではのメリットを紹介しましたが、一方でデメリットもあります。ここではとくに注意しておきたい2点について紹介しますので、宿泊先を選ぶ際の参考にしてみてください。
プライバシーが保たれない場面がある
旅館に滞在している間、スタッフと会話できるのがメリットと感じられる人もいれば、そうでない人もいます。
旅館では、チェックイン時から夕食時、寝具のセットなど、仲居さんが部屋へ入ってくるタイミングが多いのも特徴です。そのため、自分たちが過ごす部屋に入ってきてほしくない、プライバシーを邪魔されたくない、といった人は、旅館よりもホテルのほうが適しています。
食事やお風呂の時間が限られる
ホテルの場合、チェックイン後は自由に過ごせますが、旅館では仲居さんに食事の時間を、あらかじめ伝えておかなければなりません。もしチェックインの時間が遅くなった場合、食事の時間を自由に選べず、かつ先にお風呂へ入れない恐れがあります。
そのため、旅館の場合はなるべく早めにチェックインしておくと、食事までの時間ものんびり過ごせるのでオススメです。
また、客室に、お風呂やシャワーといった設備がない旅館もあります。夕方は大浴場や露天風呂につかり、朝は部屋にあるシャワーを浴びたいといったような場合は、予約前に部屋のお風呂やシャワーがあるかどうかを確認しておかなければなりません。
もしなければ、共用の大浴場や露天風呂などを利用することになりますが、旅館によっては入れる時間が限られていることもあり、食事の時間との調整が不可欠です。
ホテルと旅館の選び方
ここまで、ホテルと旅館のメリットやデメリットについて解説しましたが、これらはほぼ表裏一体となっています。たとえば旅館の「スタッフとのコミュニケーションを図れる」ことはメリットである一方で、「プライバシーがない」といったデメリットにもなりうるわけです。
したがって、同じ体験をしたとしても、メリットに感じる人もいれば、デメリットに感じる人もいるため、どちらがよい、悪いと評価はできません。
宿泊するのにどちらを選ぶか迷った場合は、旅行先や出張先でどのような体験をしたいのか、またどのようなサービスを受けたいのかなどを考え、目的に応じて選ぶことが大切です。
ホテルと旅館はそもそもコンセプトに違いがあり、それぞれ提供しているサービスも異なります。
定義が法律で明確に分かれていない以上、旅館寄りのホテル、ホテル寄りの旅館、などまちまちです。そのため、ただ「ホテル」「旅館」といったくくりやイメージだけで選ぶと、思っていたのとは違った、とがっかりしかねません。
そのため、気になるホテルや旅館があれば、少々手間をかけても、まず自分や家族の希望にマッチしているかどうかをホームページで調べたり、直接電話して確認したりすることが大切です。家族みんなが満足できる旅行にするために、あらかじめ納得した上で予約したいですね。
まとめ
旅行の計画を立てるとき、ホテルか旅館で迷った場合は、滞在中にどのように過ごしたいかで選ぶのがオススメです。
全国にあるDAIWA ROYAL HOTELなら、和洋室のプランやウェルカムベビー認定プラン、愛犬と一緒に泊まれるプランなどがあるため、ニーズに合わせて選べます。次の旅行では、ぜひ宿泊先として検討してみてください。